AGA治療を開始して二年という月日が経過すると、多くの場合、治療効果はある程度の安定期に入っていると考えられます。治療開始当初に期待したような劇的な変化、例えば「みるみる髪が増える」といった体験は少なくなり、むしろ「現状維持」が主なテーマとなってくる時期かもしれません。しかし、この現状維持こそが、AGA治療においては非常に重要な意味を持ちます。一年目の治療で抜け毛が減少し、髪の毛の太さや密度がある程度回復した状態を、二年目以降もキープしていくことが目標となるのです。AGAは進行性の脱毛症であるため、治療を中断すれば再び症状が進行し始める可能性が高いからです。二年目を迎えた方の中には、「最近、あまり変化を感じない」「効果が頭打ちになったのでは？」と感じる方もいるかもしれません。確かに、毛髪の成長サイクルや薬剤への反応性から、一年目に比べて二年目以降の変化は緩やかになる傾向があります。しかし、変化が感じられないからといって、薬が効いていないわけではありません。むしろ、抜け毛の増加や薄毛の進行が抑えられていること自体が、治療が効果を発揮している証拠なのです。この時期に大切なのは、自己判断で治療を中断したり、薬の量を減らしたりしないことです。効果が安定していると感じても、それは継続的な治療によって支えられている状態です。もし治療方針の変更（減薬など）を検討したい場合は、必ず医師に相談し、頭皮の状態や治療経過を客観的に評価してもらった上で判断する必要があります。二年目は、治療の成果を維持し、安定させるための大切な期間です。劇的な変化を求めるのではなく、日々の治療を着実に継続することの重要性を再認識し、根気強く向き合っていくことが求められます。