ミノキシジルを使い始めて、早三ヶ月が経過した。思えば、鏡を見るたびにため息をつき、抜け毛の量に一喜一憂していた日々から、少しだけ前向きな気持ちになれたような気がする。もちろん、フサフサになったわけではない。まだ道半ば、いや、スタートラインにようやく立てた、というところだろうか。最初の頃は、本当に効果があるのか半信半疑だった。ネットで情報を漁っては、良い口コミに期待し、悪い口コミに不安を覚える。そんなことを繰り返していた。特に、使用開始後数週間で経験した「初期脱毛」は精神的に堪えた。ただでさえ少ない髪が、さらに抜けていくのを見るのは辛いものだ。「これは好転反応なんだ」と自分に言い聞かせながらも、心が折れそうになったのは一度や二度ではない。それでも、毎日欠かさず、朝と晩、指定された量を頭皮に塗り込む作業を続けた。まるで儀式のように。変化の兆しを感じ始めたのは、二ヶ月を過ぎたあたりからだろうか。シャンプー時の抜け毛が、心なしか減ったような気がしたのだ。気のせいかもしれない。でも、その「かもしれない」が、当時の私にとっては大きな希望だった。そして三ヶ月目。明らかに変わったと感じるのは、髪の「手触り」だ。以前は細く、コシがなく、すぐにペタッとなってしまっていた髪が、少しだけしっかりしてきたように感じる。一本一本が太くなった、というよりは、髪全体にハリが出てきた、という表現が近いかもしれない。鏡で頭頂部をまじまじと見つめてみる。劇的に地肌が見えなくなったわけではない。しかし、以前よりも髪の毛の密度が少しだけ増したような、そんな気がするのだ。うっすらと産毛のようなものも生えてきているようにも見える。これが、あの初期脱毛を乗り越えた先に待っていたものなのか。もちろん、まだまだ安心はできない。ミノキシジルの効果は継続してこそ意味があるというし、これからも気を抜かずにケアを続けていくつもりだ。食生活や睡眠にも気を配り、ストレスを溜めないように心がける。ミノキシジルは魔法の薬ではない。でも、諦めかけていた自分に、もう一度頑張ってみようという勇気をくれた、大切な相棒のような存在だ。この小さな変化を信じて、これからも地道に努力を続けていきたい。
12月24