月別アーカイブ: 7月 2022

AGA治療開始後に脱毛が増える?初期脱毛の真実

AGA治療開始後に脱毛が増える?初期脱毛の真実

AGA(男性型脱毛症)の治療を意気込んで開始した矢先、かえって抜け毛が増えてしまったら、「治療が合わないのではないか」「悪化しているのではないか」と不安になるのは当然のことでしょう。しかし、AGA治療、特にミノキシジル外用薬や、場合によってはフィナステリドやデュタステリドといった内服薬を開始した初期段階で、一時的に抜け毛が増加する現象が起こることがあります。これは「初期脱毛」と呼ばれ、実は治療が効果を発揮し始めている証拠とも言えるのです。初期脱毛が起こるメカニズムは、乱れたヘアサイクルの正常化と深く関係しています。AGAを発症すると、髪の毛の成長期が短縮され、十分に成長しないまま細く弱い髪の毛(軟毛)が増え、やがて抜け落ちていきます。AGA治療薬は、この乱れたヘアサイクルに働きかけ、正常なサイクルに戻そうとします。その過程で、毛母細胞が活性化され、新しい健康な髪の毛が下から生え始める準備をします。この新しい髪の毛が成長してくる際に、既に生えている古い、あるいは成長が止まっていた弱々しい髪の毛を押し出す形で脱毛が起こるのです。つまり、初期脱毛は、いわば髪の毛の「世代交代」のようなもの。古い髪が抜け落ちて、新しい丈夫な髪が生えるためのスペースを作っている状態と考えることができます。この現象は、治療開始後およそ2週間から1ヶ月半くらいの時期に始まることが多く、通常は1ヶ月から2ヶ月程度続くとされています。もちろん、その期間や抜け毛の量には個人差が大きく、全く初期脱毛を感じない人もいれば、比較的多くの抜け毛を経験する人もいます。重要なのは、この初期脱毛は一時的なものであり、治療が順調に進んでいる過程で起こる自然な反応である可能性が高いということです。自己判断で治療を中断せず、まずは医師に相談することが大切です。

専門家が語る医療用かつらの選び方

専門家が語る医療用かつらの選び方

医療用かつらは、単なる容姿を補うための道具ではなく、治療中の患者さんの心に寄り添い、QOL(生活の質)を支える重要な役割を担っています。抗がん剤治療や脱毛症など、様々な理由で髪を失った方々にとって、最適なかつらを選ぶことは、精神的な安定を取り戻し、社会生活を続ける上での大きな助けとなります。医療用かつら専門のアドバイザーとして長年多くの方と接してきた経験から、その選び方のポイントをお話ししたいと思います。まず最も重視すべきは、やはり肌への優しさです。治療中は肌が非常にデリケートになっていることが多いため、ベース部分の素材選びは慎重に行う必要があります。直接頭皮に触れる部分には、柔らかく低刺激性の素材、例えばシルクやオーガニックコットン、医療用シリコンなどが用いられているかを確認しましょう。JIS規格(S9623)に適合した製品は、皮膚刺激性などの基準をクリアしているため、一つの目安になります。通気性も重要な要素です。長時間着用することが多い医療用かつらは、蒸れにくいことが快適性の鍵となります。ベースにメッシュ素材が使われていたり、通気孔が設けられていたりするかを確認し、実際に試着して蒸れ感がないか確かめることが大切です。次に、自然さです。見た目の自然さは、患者さんが自信を持って外出するために不可欠です。毛質(人毛、人工毛、ミックス毛)、毛量、髪色、そして特に生え際やつむじの作りが自然に見えるかどうかがポイントになります。人毛は最も自然ですが手入れが必要ですし、高品質な人工毛は手入れが楽で自然なものも増えています。ご自身のライフスタイルや手入れにかけられる時間などを考慮して選びましょう。試着の際には、様々な角度から鏡で確認し、可能であればご家族や友人に意見を聞くのも良いでしょう。サイズ調整機能とフィット感も欠かせません。治療による体調の変化で頭のサイズが変わることもあるため、アジャスターで細かくサイズ調整できる機能がついていると安心です。また、ベースの伸縮性や形状が頭にしっかりフィットし、ずれにくいことも重要です。軽い運動程度なら問題なく過ごせる安定感が求められます。

鏡を見るのが辛かった日々!M字の悩みと向き合って

鏡を見るのが辛かった日々!M字の悩みと向き合って

いつからだろうか、シャンプーの時に手に絡まる抜け毛が増えたのは。そして、鏡を見るたびに、額の両サイドが少しずつ後退していることに気づいた。最初は気のせいだと思いたかった。髪型で隠せる範囲だったし、まだ大丈夫だと自分に言い聞かせていた。しかし、現実は残酷で、M字の切れ込みは日増しに深くなっていくように感じられた。インターネットで「M字はげ 治らない」という言葉を見つけては、ため息をつく毎日。育毛剤を試したり、頭皮マッサージをしたり、生活習慣を見直したり…思いつくことは色々とやってみたけれど、目に見える効果は感じられなかった。むしろ、焦れば焦るほど、抜け毛が増えているような気さえした。友人との集まりや、人前に出るのが次第に億劫になっていった。人の視線が自分の額に集まっているのではないかと、常にビクビクしていた。自信を失い、何事にも消極的になっていく自分が嫌だった。「もう治らないんだ」という諦めの気持ちが心を支配し始めていた頃、同じ悩みを抱えていた友人が専門クリニックに通い始めたという話を聞いた。半信半疑だったが、藁にもすがる思いで、私もクリニックの門を叩いた。医師の診断はやはりAGA。そして、「完全に元通りは難しいかもしれないが、早期治療で進行は抑えられる可能性が高い」と言われた。治療を開始して数ヶ月。劇的な変化ではないけれど、抜け毛が減り、生え際に細い毛が生えてきたのが分かった。何より、「これ以上ひどくならないかもしれない」という安心感が、私の心を軽くしてくれた。今も治療は続けている。M字が完全に消えたわけではない。でも、以前のように鏡を見るのが辛くはない。進行が止まったこと、そして何より、悩みに正面から向き合い、行動できたことが、私に小さな自信を取り戻させてくれたのだと思う。「治らない」と塞ぎ込んでいた過去の自分に、少しだけ胸を張れる気がしている。