AGA治療を検討する上で、効果や副作用と並んで大きなハードルとなるのが、治療期間の長さとそれに伴う費用負担というデメリットです。AGAは進行性の脱毛症であり、現在のところ根本的に完治させる治療法は確立されていません。そのため、治療薬(フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルなど)の効果によって薄毛の進行を抑えたり、発毛を促したりすることは可能ですが、その効果を維持するためには、基本的に治療を継続する必要があります。治療を自己判断で中断してしまうと、薬の効果が切れ、再びAGAが進行し始め、せっかく改善した状態が元に戻ってしまう可能性が高いのです。つまり、AGA治療は「始めたら終わりが見えない」長期戦になるケースが多いという点が、大きなデメリットとなります。この長期にわたる治療継続は、精神的な負担だけでなく、経済的な負担にも直結します。AGA治療は、一部の例外を除き、基本的に健康保険が適用されない自由診療です。そのため、治療にかかる費用は全額自己負担となります。主な費用としては、毎月の診察料、処方される内服薬や外用薬の薬剤費、場合によっては定期的な血液検査の費用などが挙げられます。クリニックや処方される薬剤の種類(先発品かジェネリックかなど)によって費用は異なりますが、月々数千円から数万円程度の費用が継続的に発生することになります。年間で考えると、決して安価とは言えない金額になるでしょう。治療期間が年単位、場合によっては10年、20年と続く可能性を考えると、この経済的な負担は非常に大きなデメリットと言わざるを得ません。治療を開始する前に、長期的な視点で費用負担が可能かどうかを現実的に検討し、無理のない治療計画を立てることが重要です。クリニックによっては、料金体系が明瞭でなかったり、高額なセットプランを勧められたりするケースもあるため、カウンセリング時に費用についてもしっかりと確認し、納得した上で治療を開始することが大切です。
7月6