かつらを装着する上で多くの人が気にするのが、「いかに自然に見せるか」という点です。最新のかつらは非常に高品質になっていますが、さらに一手間加えるスタイリングによって、その自然さを最大限に引き出すことができます。ポイントは、生え際、分け目、毛流れ、そして自毛との馴染ませ方です。まず、最も重要なのが生え際の処理です。特に前髪のあるスタイルの場合、生え際が不自然だと「かつら感」が出やすくなります。レースフロントと呼ばれる、生え際部分に極薄のレース素材を使用し、そこに一本一本手植えされたタイプのかつらは非常に自然ですが、そうでない場合でも工夫次第でカバーできます。前髪を少し下ろし気味にスタイリングしたり、産毛のように細い毛束を少しだけフェイスラインに残したりすると、生え際の境界線が曖昧になり、自然に見えやすくなります。オールバックなど、生え際を完全に見せるスタイルは難易度が高いですが、どうしても挑戦したい場合は、やはりレースフロントタイプを選ぶのが賢明です。次に分け目やつむじです。人工皮膚（スキン）付きのかつらは、分け目やつむじが頭皮のように見えるため自然ですが、そうでない場合は、分け目をジグザグにとったり、少しぼかすようにスタイリングしたりすると、直線的な分け目よりも自然に見えます。つむじ周りの毛を少しだけ指でつまんで立ち上げ、ふんわりとしたボリュームを出すのも効果的です。毛流れも自然さを左右する要素です。かつらは箱から出したばかりだと、毛がペタッとしていたり、一定方向の流れが強すぎたりすることがあります。装着前に、手ぐしや目の粗いブラシで全体を優しくとかし、空気を含ませるようにふんわりさせましょう。特に人毛や耐熱人工毛の場合は、ドライヤーの弱風を軽く当てながら流れを作ると、より自然な動きが出ます。ワックスやスプレーなどのスタイリング剤を使う場合は、つけすぎに注意が必要です。少量を手のひらでよく伸ばし、毛先を中心にもみ込むようにつけると、自然な束感や動きを出すことができます。根元にべったりつけると、不自然なテカリや重さの原因になるので避けましょう。部分かつら（トップピース）の場合は、自毛との馴染ませ方が最も重要です。

薄毛や抜け毛に悩む男性にとって、日々のヘアケアは非常に重要です。シャンプーや育毛剤にこだわる方は多いですが、意外と見落としがちなのがヘアブラシの選び方と使い方です。実は、適切なヘアブラシを選び、正しく使うことは、頭皮環境を整え、健やかな髪を育む上で大きな助けとなります。では、薄毛が気になる男性はどのような点に注意してヘアブラシを選べば良いのでしょうか。まず重要なのは、頭皮への優しさです。薄毛が進行している方の頭皮はデリケートになっている場合が多く、硬すぎるブラシや先端が尖ったブラシは、頭皮を傷つけ、炎症を引き起こす原因となりかねません。先端が丸く加工されたものや、クッション性の高いブラシを選ぶことで、頭皮への負担を軽減できます。次に、ブラシの素材です。天然毛（豚毛や猪毛など）は、適度な油分を含み、髪に自然なツヤを与え、静電気を起こしにくいというメリットがあります。特に豚毛は比較的柔らかいため、デリケートな頭皮にも使いやすいでしょう。一方、ナイロン製のブラシは、水洗いが可能で手入れがしやすいという利点があります。抗菌加工が施されているものや、先端が球状になっているものなど、様々な種類があります。ご自身の髪質や頭皮の状態、そして使い心地の好みで選ぶのが良いでしょう。さらに、ブラッシングの目的を考えることも大切です。単に髪を整えるだけでなく、頭皮マッサージ効果を期待するのであれば、ピンの間隔が広めで、クッション性の高いパドルブラシなどが適しています。適度な刺激は頭皮の血行を促進し、毛根への栄養供給を助ける可能性があります。ただし、力を入れすぎると逆効果になるため、あくまで優しく行うことが重要です。ヘアブラシは毎日使うものだからこそ、自分に合ったものを選ぶことが大切です。価格帯も様々ですが、必ずしも高価なものが良いとは限りません。まずは自分の頭皮と髪の状態をよく観察し、いくつかの種類を試してみて、最も心地よく使える一本を見つけることが、健やかな頭皮環境への第一歩となるでしょう。