医師から「AGAではない」と診断された場合、薄毛の原因として考えられるのは、AGA以外の様々な脱毛症や要因です。まず代表的なのが「円形脱毛症」です。これは自己免疫疾患の一種と考えられており、円形や楕円形に突然髪が抜け落ちるのが特徴ですが、時には広範囲に脱毛が及ぶこともあります。次に「休止期脱毛症」です。これは、何らかのストレス(精神的ストレス、出産、高熱、過度なダイエット、手術など)が引き金となり、多くの髪の毛が一斉に休止期に入ってしまい、数ヶ月後にまとまって抜け落ちる状態です。原因が取り除かれれば自然に回復することが多いですが、慢性化する場合もあります。また、「牽引性脱毛症」も考えられます。これは、ポニーテールや編み込みなど、髪を強く引っ張る髪型を長期間続けることで、毛根に負担がかかり、生え際などを中心に薄毛が進行する状態です。さらに、特定の薬剤の副作用、甲状腺疾患などの内分泌系の病気、頭皮の炎症(脂漏性皮膚炎など)、栄養不足(特に鉄分や亜鉛、タンパク質不足)なども、脱毛の原因となり得ます。「AGAじゃない」という診断は、これらの可能性を探るための重要なステップです。医師は、問診や視診、場合によっては血液検査などを通じて、考えられる原因を絞り込んでいきます。自己判断せずに、医師と共に真の原因を見つけ出すことが、適切な対策への第一歩となります。日本皮膚科学会認定の皮膚科専門医であるか、AGA治療に関する研修や学会発表の実績があるかなどを、クリニックのウェブサイトなどで確認してみましょう。カウンセリングの丁寧さも重要なポイントです。時間をかけて丁寧に問診を行い、患者の悩みや疑問に真摯に耳を傾けてくれるか、治療法の選択肢やメリット・デメリット、費用などについて分かりやすく説明してくれるか、といった点は、信頼できる医師かどうかを見極める上で参考になります。一方的に高額な治療を勧めたり、質問に曖昧に答えたりするような場合は注意が必要です。また、診察に使用する機器(マイクロスコープなど)が整備されているか、院内の清潔感やプライバシーへの配慮なども、安心して受診できるかどうかの判断材料となります。
1月11