AGAメソセラピーと一口に言っても、頭皮に注入される成分はクリニックや治療プログラムによって様々です。それぞれの成分が持つ特徴や期待される効果を理解しておくことは、治療法を検討する上で役立ちます。代表的な注入成分の種類を見ていきましょう。最もよく用いられる成分の一つが「成長因子(グロースファクター)」です。成長因子は、細胞の増殖や分化を促進するタンパク質の総称で、毛髪の成長にも深く関わっています。KGF(ケラチノサイト成長因子)、IGF(インスリン様成長因子)、VEGF(血管内皮細胞成長因子)など、様々な種類の成長因子があり、これらを組み合わせることで、毛母細胞の活性化、ヘアサイクルの成長期延長、頭皮の血行促進といった効果が期待されます。発毛を直接的にサポートする成分として、多くのクリニックで採用されています。AGA治療薬としても有名な「ミノキシジル」を直接注入するケースもあります。ミノキシジルは血管を拡張させて頭皮の血行を促進し、毛母細胞に栄養を届けやすくする効果があります。外用薬として塗布するよりも、直接注入することで、より高い濃度で、かつ効率的に毛根周辺に作用させることが狙いです。髪の毛の主成分であるケラチンを構成するために必要な「アミノ酸」や、頭皮環境を整え、髪の成長をサポートする「ビタミン類(ビタミンB群、ビタミンCなど)」、「ミネラル(亜鉛など)」といった栄養素を注入することもあります。これらの成分は、髪の毛の土台作りや健康維持に役立つと考えられます。また、患者さん自身の血液から成長因子を豊富に含む血小板を抽出し、それを頭皮に注入する「PRP(多血小板血漿)療法」も、メソセラピーの一種として行われています。自分の血液を用いるため、アレルギー反応などのリスクが低いというメリットがあります。これらの成分は、単独で用いられることもありますが、多くの場合、患者さんの頭皮の状態や薄毛の進行度、目的に合わせて、複数の成分がカクテル(ブレンド)されて使用されます。どの成分をどのくらいの濃度で配合するかが、クリニックのノウハウや治療効果にも関わってくると言えるでしょう。
月別アーカイブ: 7月 2019
AGA治療二年目?実感する変化と変わらない日常
早いもので、AGA治療を始めてから二年が経とうとしている。最初の半年くらいは、毎日鏡を見るのが怖くもあり、楽しみでもあった。初期脱毛で一時的に抜け毛が増えた時は正直焦ったけれど、それを乗り越えて産毛が生えてきた時の喜びは大きかった。一年が経つ頃には、明らかに髪にボリュームが出て、以前のように人の視線を過剰に気にすることも少なくなっていた。そして二年目。正直に言うと、最近は劇的な変化を感じることは少なくなった。髪の毛が急に増えたり、太くなったりする感覚は、一年目の頃に比べると落ち着いてきたように思う。でも、それは決して悪いことではないと自分では捉えている。シャンプー時の抜け毛は明らかに少ないままだし、髪全体の印象も、治療前の自分と比べれば雲泥の差だ。むしろ、「効果が安定している」ということなのだろう。二年目になって変わったことと言えば、治療が完全に日常の一部になったことかもしれない。毎朝、顔を洗って歯を磨くのと同じように、薬を飲む。夜、お風呂上がりに髪を乾かしてから薬を塗る。最初の頃は少し面倒に感じたり、忘れないように気を使ったりしていたけれど、今では何の抵抗もなく、ごく自然な習慣になっている。もちろん、費用がかかることや、いつまで続けるんだろうという漠然とした不安がないわけではない。でも、治療によって得られた自信や、髪の悩みが軽減されたことによる精神的な安定を考えると、今のところ治療を続けるメリットの方が大きいと感じている。たまに治療開始前の自分の写真を見ると、「よくここまで改善したな」と感慨深く思う。二年という月日は短くはないけれど、諦めずに続けてきて本当に良かった。劇的な変化はなくても、この安定した状態を維持していくこと。それが、二年目を迎えた今の僕の目標であり、日々の小さなモチベーションになっている。
終わりが見えない?AGA治療の期間と費用のデメリット
AGA治療を検討する上で、効果や副作用と並んで大きなハードルとなるのが、治療期間の長さとそれに伴う費用負担というデメリットです。AGAは進行性の脱毛症であり、現在のところ根本的に完治させる治療法は確立されていません。そのため、治療薬(フィナステリド、デュタステリド、ミノキシジルなど)の効果によって薄毛の進行を抑えたり、発毛を促したりすることは可能ですが、その効果を維持するためには、基本的に治療を継続する必要があります。治療を自己判断で中断してしまうと、薬の効果が切れ、再びAGAが進行し始め、せっかく改善した状態が元に戻ってしまう可能性が高いのです。つまり、AGA治療は「始めたら終わりが見えない」長期戦になるケースが多いという点が、大きなデメリットとなります。この長期にわたる治療継続は、精神的な負担だけでなく、経済的な負担にも直結します。AGA治療は、一部の例外を除き、基本的に健康保険が適用されない自由診療です。そのため、治療にかかる費用は全額自己負担となります。主な費用としては、毎月の診察料、処方される内服薬や外用薬の薬剤費、場合によっては定期的な血液検査の費用などが挙げられます。クリニックや処方される薬剤の種類(先発品かジェネリックかなど)によって費用は異なりますが、月々数千円から数万円程度の費用が継続的に発生することになります。年間で考えると、決して安価とは言えない金額になるでしょう。治療期間が年単位、場合によっては10年、20年と続く可能性を考えると、この経済的な負担は非常に大きなデメリットと言わざるを得ません。治療を開始する前に、長期的な視点で費用負担が可能かどうかを現実的に検討し、無理のない治療計画を立てることが重要です。クリニックによっては、料金体系が明瞭でなかったり、高額なセットプランを勧められたりするケースもあるため、カウンセリング時に費用についてもしっかりと確認し、納得した上で治療を開始することが大切です。