M字はげの進行に気づき、「もう治らないのでは」と不安を感じている方は多いかもしれません。確かに、AGA(男性型脱毛症)が原因である場合、セルフケアだけで完全に元の状態に戻すのは難しいのが現実です。しかし、諦めてしまう前に知っておくべきことがあります。それは、医学的なアプローチによって進行を抑制したり、現状を改善したりできる可能性があるということです。まず重要なのは、自己判断せずに皮膚科やAGA専門クリニックを受診し、専門医の診断を受けることです。薄毛の原因が本当にAGAなのか、どの程度進行しているのかを正確に把握することが、適切な対策の第一歩となります。AGAと診断された場合、現在、医学的に効果が認められている治療法がいくつか存在します。代表的なのが、フィナステリドやデュタステリドといった内服薬です。これらはAGAの原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑えることで、ヘアサイクルの乱れを正常化し、抜け毛を減らす効果が期待できます。また、ミノキシジルという外用薬(塗り薬)も有効な選択肢です。ミノキシジルは頭皮の血行を促進し、毛母細胞を活性化させることで発毛を促す効果があります。これらの治療は、早期に開始するほど効果が高いとされています。毛根が完全に活動を停止してしまう前に治療を始めることが、改善の可能性を高める鍵となります。ただし、これらの治療薬も万能ではありません。効果の現れ方には個人差がありますし、完全に元のフサフサな状態に戻るとは限りません。また、副作用のリスクもゼロではありません。だからこそ、医師の診察のもと、適切な用法・用量を守って治療を進めることが非常に重要です。「治らない」と決めつけてしまう前に、まずは専門医に相談し、医学的根拠に基づいた治療法について話を聞いてみてください。現状維持や進行抑制も、立派な治療の成果なのです。
11月3