薄毛改善を目的としてランニングを始めるなら、やみくもに走るのではなく、いくつかのポイントを押さえることで、その効果を最大限に引き出すことができます。髪の健康にフォーカスした、効果的なランニングの方法と、必ず守りたい注意点をご紹介します。まず、大切なのは「強度」と「時間」です。息が切れ、心臓がバクバクするような高強度のダッシュよりも、隣の人と会話ができるくらいのペースでゆっくりと長く走る「LSD(ロング・スロー・ディスタンス)」がおすすめです。この低強度の有酸素運動は、毛細血管を広げ、頭皮の隅々まで血流を届けるのに非常に効果的です。時間としては、まずは20分を目標に始め、慣れてきたら30分から40分程度続けられると理想的です。頻度は、週に2〜3回で十分。毎日走る必要はなく、筋肉や関節を休ませる「休息日」を設けることが、オーバートレーニングを防ぎ、継続の秘訣となります。次に、「走る時間帯」です。特におすすめなのは「夕方」です。夕方に適度な運動を行うと、一度上がった体温が夜にかけて下がっていく過程で、自然で深い眠りが誘発されます。髪の成長を促す成長ホルモンは、深い睡眠中に最も多く分泌されるため、睡眠の質を高めることは、育毛において非常に重要です。朝ランも気持ちが良いですが、紫外線対策は必須となります。そして、最も注意すべき点が「紫外線対策」と「活性酸素」です。紫外線は、頭皮に直接ダメージを与え、炎症や乾燥を引き起こし、毛母細胞の働きを弱めてしまいます。日中に走る際は、必ず通気性の良いキャップをかぶりましょう。また、激しすぎる運動は、体内に「活性酸素」を過剰に発生させます。活性酸素は細胞を酸化させ、老化を促進する、いわば体のサビです。これが頭皮の細胞を攻撃すると、薄毛を助長しかねません。これを防ぐためにも、運動は「心地よい」と感じる範囲に留めることが大切です。さらに、抗酸化作用のあるビタミンCやビタミンE、ポリフェノールなどを食事から積極的に摂取することも、ランナーの髪を守る上で有効な対策となります。
髪のために走る!効果を最大化するランニング術